2017年05月30日

ダニエル書3 王の夢を巡る大事件(ダニエル書2章1節〜14節)



 ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは、幾つかの夢を見、そのために心が騒ぎ、眠れなかった。(ダニエル書2章1節)
 そこで王は、呪法師、呪文師、呪術者、カルデヤ人を呼び寄せて、王のためにその夢を解き明かすように命じた。彼らが来て王の前に立つと、(2節)
 王は彼らに言った。「私は夢を見たが、その夢を解きたくて私の心は騒いでいる。」(3節)
 カルデヤ人たちは王に告げて言った。――アラム語で――「王よ。永遠に生きられますように。どうぞその夢をしもべたちにお話しください。そうすれば、私たちはその解き明かしをいたしましょう。」(4節)
 王は答えてカルデヤ人たちに言った。「私の言うことにまちがいはない。もし、あなたがたがその夢とその解き明かしとを私に知らせることができなければ、あなたがたの手足を切り離させ、あなたがたの家を滅ぼしてごみの山とさせる。(5節)
 しかし、もし夢と説き明かしとを知らせたら、贈り物と報酬と大きな光栄とを私から受けよう。だから、夢と説き明かしとを私に知らせよ。」(6節)
 彼らは再び答えて言った。「王よ。しもべたちにその夢をお話しください。そうすれば、解き明かしてごらんにいれます。」(7節)
 王は答えて言った。「私には、はっきりわかっている。あなたがたは私の言うことにまちがいはないのを見てとって、時をかせごうとしているのだ。(8節)
 もしあなたがたがその夢を私に知らせないなら、あなたがたへの判決はただ一つ。あなたがたは時が移り変わるまで、偽りと欺きのことばを私の前に述べようと決めてかかっている。だから、どんな夢かを私に話せ。そうすれば、あなたがたがその解き明かしを私に示せるかどうか、私にわかるだろう。」(9節)

 バビロン帝国の王ネブカデレザルが、自分の見た夢を、お抱えの呪法師、呪文師それらを職業にしていたカルデヤ人たちに解き明かすように命じる場面です。

 この場面はある意味、私たち読む者を驚かせます。「夢を占ってくれ」というだけでなく、王が見た「夢をまず、言い当てろ」と言っているのです。これは、むちゃくちゃな要求に見えます。
 買い物に行って、自分が買いたいものを「当てろ」と、店主に言っているようなものです。お医者様に行って、どんな症状かも言わないで、「病気を当てろ、治療をしてくれ」というような具合です。
 「大帝国の王ともなれば、さすがに、要求することが違う!」と、感心してしまいます。なにしろ、王の要求通りにできなければ、「手足を切り落とし、家を滅ぼす」というのです。これは本人の死刑だけでなく、「一族郎党富財産地位も剥奪してしまう」との意味でしょう。当時の刑罰では、罪が妻子、一族、財産にまで及ぶのは、ありふれたことでした。

 もとより、学者たち(呪法師、カルデヤ人たち)は震え上がりました。
 
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 カルデヤ人たちは王の前に答えて言った。「この地上には、王の言われることを示すことのできる者はひとりもありません。どんな偉大な権力のある王でも、このようなことを呪法師や呪文師、あるいはカルデヤ人に尋ねたことはかつてありません。(10節)
 王のお尋ねになることは、むずかしいことです。肉なる者とその住まいを共にされない神々以外には、それを王の前に示すことのできる者はいません。」(11節)
 
 ことばを尽くして釈明していますが、要するに、王の要求は無茶苦茶だと言っているのです。かってこのような無茶な要求をした王もいないし、答えることができた者もいない、と至極当たり前のことを言っているのです。
 「神々以外には」との言葉も、なかなか巧妙です。私たち現代人でさえ、難問を前にしたら、「神ならぬ身ではわからない」「神のみぞ知る」と考えるでしょう。
 この言葉は、謙遜であるようでいて、最大の逃げ口上でもあります。おそらく、今の学会や国会でも、絶対に使えません。

 もちろん、王は激怒します。
 
 王は怒り、大いにたけり狂い、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。(12節)
 この命令が発せられたので、知者たちは殺されることになった。また人々はダニエルとその同僚をも捜して殺そうとした。(13節)
 そのとき、ダニエルは、バビロンの知者たちを殺すために出て来た王の侍従長アルヨクに、知恵と思慮とをもって応待した。(14節)

 それにしても、やっぱり、大帝国の王のすることは、ケタが違うと思わされます。直接王が諮問した学者たちだけではなく、まだ、若いダニエルたちまでも、その刑罰の対象となっているのです。王の侍従長がダニエルたちに会いに来たのは、死刑を告げるためでした。






posted by さとうまさこ at 10:49| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする