2012年10月17日

Coffee Break歴史の書416 列王記(3)ナタンとバテ・シェバ(T列王記1章9節〜14節)



 アドニヤは、エン・ロゲルの近くにあるゾヘレテの石のそばで、羊、牛、肥えた家畜をいけにえとしてささげ、王の子らである自分の兄弟たちすべてと、王の家来であるユダのすべての人々を招いた。(T列王記1章9節)
 しかし、預言者ナタンや、ベナヤ、それに勇士たちや、彼の兄弟ソロモンは招かなかった。(10節)


 もう、この2節だけで、対立の物語が展開しているのがわかります。自称であるにしても、王のように戦車や騎兵を伴い、先ぶれに五十人の者を走らせたというのです。さらに、大勢の王の子どもと重臣が従っていました。彼が新しい王になると思った者も多かったでしょう。王の装備でいけにえをささげるのは、本来王がすべき儀式だったのでしょう。
 しかし、その華々しいセレモニーに招かれなかった者がいたのです。ナタン、ベナヤ、勇士たちは、アドニヤが根回しした時にアドニヤにくみしなかった者たちです。ソロモンは、招くまでもなくアドニヤのライバルでした。ほかにも有力な王子たちがいるのに、彼らより年下のソロモンがアドニヤのライバルだったことは、何を意味するのでしょう。

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 それで、ナタンはソロモンの母バテ・シェバにこう言った。「私たちの君ダビデが知らないうちに、ハギテの子アドニヤが王となったということを聞きませんでしたか。」(11節)
 さあ、今、私があなたに助言をいたしますから、あなたのいのちとあなたの子ソロモンのいのちを助けなさい。(12節)


 ナタンは、アドニヤにくみしなかっただけでなく、バテ・シェバに内通しています。おそらく、二人の間には以前から信頼関係があったのでしょう。バテ・シェバが晩年のダビデの寵愛を受け、ほかの妃より力があったのかもしれません。また、これまでのバテ・シェバを見ても、歯に衣着せずに言えば「したたかな」女性ですから、ナタンを大切に扱って自分の側に置いていたのかもしれません。
 バテ・シェバとダビデの不倫、その結果のバテ・シェバの夫ウリヤの殺害をきびしく指摘して、王をたしなめた預言者ナタンは、預言者として気骨もあり、ダビデとの信頼も厚かったと思われます。(第Uサムエル記11章)

 さあ、ダビデ王のもとに行って、『王さま。あなたは、このはしために、必ずあなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる。彼が私の王座に着く、と言って誓われたではありませんか。それなのに、なぜ、アドニヤが王になったのですか』と言いなさい。(13節)
 あなたがまだそこで王と話しているうちに、私もあなたのあとから入って行って、あなたのことばの確かなことを保証しましょう。」(14節)


 列王記1章は、宮廷の陰謀の内実を書きしるして、まるで、小説の一部のようです。しかし、もちろん、ナタンは損得の駆け引きだけでソロモンにくみしていたのではないのです。預言者は神のことばを預かる人ですから、彼には確信があったのです。






posted by さとうまさこ at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする