2012年10月19日

Coffee Break歴史書418 T列王記(5)『必ず、あなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる』(T列王記1章22節〜31節)



 バテ・シェバは、アドニヤの即位宣言を聞くと、すぐさまダビデ王のもとへ行き、直訴するのです。それは、バテ・シェバの単独行動ではなく、すでに打ち合わせのある政治的行動でした。ナタンが入って来ると、バテ・シェバは、座を外したようです。

 彼女がまだ王と話しているうちに、預言者ナタンが入ってきた。(T列王記1章22節)
 家来たちは、「預言者ナタンがまいりました」と言って王に告げた。彼は王の前に出て、地にひれ伏して、王に礼をした。(23節)
 ナタンは言った。王さま。あなたは『アドニヤが私のあとを継いで王となる。彼が私の王座に着く』と仰せられましたか。(24節)
 実は、きょう、彼は下って行って、牛と肥えた羊とをたくさん、いけにえとしてささげ、王のお子さま全部と、将軍たちと、祭司エブヤタルを招きました。そして、彼らは彼の前で飲み食いし、『アドニヤ王、ばんざい』と叫びました。(25節)
 しかし、あなたのしもべのこの私や祭司ツァドクやエホヤダの子ベナヤや、それに、あなたのしもべソロモンは招きませんでした。(26節)
 このことは、王さまから出たことなのですか。あなたはだれが王の跡を継いで、王さまの王座に着くかを、このしもべに告げておられませんのに。」(27節)
 ダビデ王は答えて言った。「バテ・シェバをここに呼びなさい。」彼女が王の前に来て、王の前に立つと、(28節)
 王は誓って言った。「私のいのちをあらゆる苦難から救い出して下さった主は生きておられる。(29節)
 私がイスラエルの神、主にかけて、『必ず、あなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる。彼が私に代って王座に着く』と言ってあなたに誓ったとおり、きょう、必ずそのとおりにしよう。」(30節)
 バテ・シェバは地にひれ伏して、王に礼をし、そして言った。「わが君。ダビデ王さま。いつまでも生きておられますように。」(31節)


 なんとあざやかな手際でしょう。
 アドニヤの動きに、間髪を入れず行動を起こすバテ・シェバとナタン。いまのように電話やメールの通信手段はない時代、まだ、アドニヤがいけにえをささげている最中に、このような行動を取れるバテ・シェバ、ナタンの連携は注目に値します。日頃から、仲間としてのつながりと信頼がなくては、不可能です。さらに、対抗者の動きを告げ知らせるスパイのような者を抱き込んでいなくてはなりません。
 しかし、もちろん、最終的にはダビデ王とバテ・シェバの親密さが頼りです。バテ・シェバには確信があったのです。

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 この一章には、同じ意味の言葉が三度も繰り返されています。

 「あなたは、あなたの神、主にかけて、『必ず、あなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる。彼が私の王座に着く』と誓った」(T列王記1章17節)と、バテ・シェバはダビデに申し立てています。13節には、ナタンのセリフとして、さあ、ダビデ王のもとに行って、『王さま。あなたは、このはしために、必ずあなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる。彼が私の王座に着く、と言って誓われたではありませんか。それなのに、なぜ、アドニヤが王になったのですか』と言いなさい。(13節)と、あります。
 
 三度目はダビデ自身のことばとして、私がイスラエルの神、主にかけて、『必ず、あなたの子ソロモンが私のあとを継いで王となる。彼が私に代って王座に着く』と言ってあなたに誓ったとおり、きょう、必ずそのとおりにしよう。」(30節)と記されるのです。

 三度も繰り返されるのですが、ダビデがバテ・シェバに、このことを誓った場面は、第Uサムエル記には出て来ません。
 ダビデ王がソロモンに王座を譲ると言う誓いは、T歴代誌22章7節からの、ダビデのソロモンへの言いつけにあるとされています。

 見よ。あなたにひとりの子が生まれる。彼は穏やかな人になり、わたしは、彼に安息を与えて、回りのすべての敵に煩わされないようにする。彼の名がソロモンと呼ばれるのはそのためである。彼の世に、わたしはイスラエルに平和と平穏を与えよう。(T列王記22章9節)
 彼がわたしの名のために家を建てる。彼はわたしにとって子となり、わたしは彼にとって父となる。わたしはイスラエルの上に彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。(10節)


 ソロモンが跡継ぎになることは、主のお告げだったことになります。しかし、それは、バテ・シェバだけが「個人的」に知っていたことのようです。ナタンはバテ・シェバから、王の誓いを聞いて知っていたと思われます。
 やはり、バテ・シェバの立場は、ほかの王妃から抜きんでていたようです。








posted by さとうまさこ at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする