2014年09月22日

Coffee Break 歴史の書・エズラ記14 やぶへび(エズラ記5章〜6章14節)



 エズラ記を読んでいて、「やぶへび」ということばを思い起こしました。「やぶをつついて蛇を出す」と言うことわざを縮めた慣用句です。もっとも、最近は慣用句自体が使われなくなり、衰退しているようです。


 捕囚の民が、クロス王によって捕囚の身から解かれ、バビロンによって破壊されていた神殿を再建することになり、故郷に戻ってきました。(エズラ記1章2章) 祭壇をもうけていけにえをささげ、主の例祭を執り行い、資材や人材を集め、主の神殿の礎を据えたのです。(同3章10節)
 それを知った彼らの敵(彼らが捕囚に引かれた後、イスラエルに住みついた者たち)は、最初は建設に参加させてくれと申し出をしてきました。しかし、ゼルバベルなど帰還民の指導者は、彼らと協働するのを断りました。彼らが、本来多神教の信者であり、アブラハムの神・イサク神・ヤコブの神を拝んでいるとしても、多くの神々の一つとして拝んでいるに過ぎなかったからです。純粋な信仰を復興させるために神殿再建をしようとしているのだから、多神教信者とは相容れないのです。
 仲間に入れてもらえないと見た敵たちは、一転神殿建設を妨害し始めるのです。おどしたり、議会に働きかけて反対させたり(なんだか現代にも通じるような・・・)、揚句に、ペルシャの王に手紙を書いて帰還民たちを告訴するのです。
 神殿再建は中止されたままになり、身動きの取れない状況の中で、ついに、ヤーウエ(イスラエルの神)が預言者に預言を授けられるのです。その神のことばに励まされて、工事は再開されました。
 反対者たちはやって来て、「だれがあなたがたに命令を下して、この宮を建て、この城壁を修復させようとしたのか。」と咎めるのですが、主の目が注がれていた(同5章5節)ユダヤ人たちは、恐れず工事を続けます。

 それで、またしても、敵たちは、ペルシャの王に告訴状を送るのです。
 しかし、この手紙は、「やぶへび」でした。
 手紙に書かれたユダヤ人の言い分(5章11節〜17節)が正しいことがわかったからです。つまり、ユダヤ人たちは、自分たちの神殿再建は、クロス王の御命令によるものであると申し開きをし、それが正しいことが証明されたからです。

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 ユダヤ人の申し開きは次のようなものでした。

 ――、ですから今、王様、もしもよろしければ、あのバビロンにある宝物倉を捜させて、エルサレムにあるこの神の宮を建てるためにクロス王の命令が下されたかどうかをお調べください。そして、このことについての王のご意見を私たちにお伝えください。(5章17節)


 申し出のとおり調べてみると、つぎの事実が判明したのです。

 それで、ダリヨス王は命令を下し、宝物を納めてあるバビロンの文書保管所を調べさせたところ、(6章1節)
 メディヤ州の城の中のアフメタで、ひとつの巻物が発見された。その中に次のように書かれていた。(2節)
 クロス王の第一年に、クロス王は命令を下した。エルサレムにある神の宮、いけにえがささげられる宮を建て、その礎を定めよ。――(3節)


 その結果、ダリヨス王は、建設反対者たちに命令を書き送って来たのです。

 「それゆえ、今、川向うの総督タテナイと、シュタル・ボズナイと、その同僚で川向こうにいる知事たちよ。そこから遠ざかれ。(6節)
 この神の宮の工事をそのままやらせておけ。ユダヤ人の総督とユダヤ人の長老たちにこの神の宮をもとの所に建てさせよ。(7節)


 反対派は、神殿建設妨害のために、ユダヤ人の言い分も書いた告訴状を送ったのです。彼らにしたら、王の命令に違反してずうずうしく建設を進めている反対派を強情な者として印象付け、もう一度ダリヨス王から確固たる禁止命令をもらうおうとしたのでしょう。
 ところが、結果的にユダヤ人の言い分が裏付けられて、神殿建設の命令がダリヨス王からも出た形です。

 これこそ、やぶへびというのでしょう。もちろん、これは反対派の立場からたとえているのです。彼らは余計なことをして、やぶから蛇を出してしまったのです。


posted by さとうまさこ at 09:47| Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする