2014年09月29日

Coffee Break 歴史の書・エズラ記21 異教徒との結婚(エズラ記9章5節〜10章5節)



 捕囚の民の帰還は、当初二度にわたって行われたことが、エズラ記に記録されています。第一回目は、ゼルバベルに率いられた四万二千三百六十名でした。この帰還は、クロス王のお触れに基づいて行われたもので、王の財政的支援と政治的支援がありました。ですから、ゼルバベルたちは、エルサレムに帰還するなりささげ物をささげ、資材や技術者を調達して神殿の再建に取りかかり、途中、敵による妨害はありましたが、神殿を完成させ、奉献しました。

 エズラは、神殿再建(BC515年)からかなり時間が経ったアルタシャスタ王の7年(BC458年)に、エルサレムに戻ってきたのです。その間、57年が経っています。さらに、ゼルバベルたちがエルサレムに戻って来た時(BC538年)から数えれば、80年ほどが経過しているのです。

 ですから、とうぜん、第一次帰還の人たちは、もうイスラエルの各地で根を下ろして生活をしていました。エズラにとって、彼らの生活でもっとも問題だったことが、異教徒との結婚でした。
 イスラエル人たちに神の律法を教えようと志を抱いて戻ってきたエズラ(エズラ記7章10節)にとって、異教徒と縁を結んでいる多くのイスラエル人がいることは、神への背きの罪、冒涜と思えました。彼は、それを知るなり上着を裂き、悔い改めの姿勢を示したのです。(同9章1節〜)

 夕方のささげ物の時刻になって、私は気を取り戻し、着物と上着を裂いたまま、ひざまずき、私の神、主に向かって手を差し伸ばし、祈って、(9章5節)
 言った。「私の神よ。私は恥を受け、私の神であるあなたに向かって顔を上げるのも恥ずかしく思います。私たちの咎は私たちの頭より高く増し加わり、私たちの罪過は大きく天にまで達したからです。(6節)


 神に対するこのようなエズラの叫びは、当然のことでした。なぜなら、国を失い、神殿を破壊され、捕囚になってバビロンに引かれたこと自体、「私たちの罪過」の結果だったからです。

 私たちの先祖の時代から今日まで、私たちは大きな罪過の中にありました。私たちの祖の咎のため、私たちや私たちの王、祭司たちは、よその国々の王たちの手に渡され、剣にかけられ、とりこにされ、かすめ奪われ、恥を見せられて、今日あるとおりです。(7節)
 とエズラも告白しているのです。エズラの、文字通りはらわたを切り裂くような告白は9章の終わり(15節)まで続きます。

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 エズラが神の宮の前でひれ伏し、涙ながらに祈って告白しているとき、イスラエルのうちから男や女や子どもの大集団が彼のところに集まって来て、民は激しく涙を流して泣いた。(10章1節)
 そのとき、エラムの子孫のひとりエヒエルの子シェヌカヤが、エズラに答えて言った。「私たちは、私たちの神に対して不信の罪を犯し、この地の民である外国の女をめとりました。しかし、このことについては、イスラエルに今なお望みがあります。(2節)
 今、私たちは、私たちの神に契約を結び、主の勧告と、私たちの神の命令を恐れる人々の勧告に従って、これらの妻たちと、その子供たちをみな、追い出しましょう。律法に従ってこれらを行ないましょう。(3節)


 エズラに同調する人たちは大勢いたのです。
 異教徒(外国人)と縁を結ぶイスラエル人を見ていても、確信をもってそれが悪いことだと言い切れない者たちが、エズラの悔い改めの姿を見て、目を覚ましたのです。
 彼らは、異教徒たちを追い出しましょうと提案するのです。それはもちろん外国人の妻を離縁させ、いわゆる「混血の子ども」たちをも、追放しようと言う意味です。
 これは、神殿を再建し、イスラエルへの神への信仰を復興しようとする時期に置いて、ある意味当然の意見でした。

 しかし、現代の読者の視点で見ると、これはかなり過激な対応だとも言えます。
 相手が異教徒であれ、何十年も結婚していて子や孫もいる家庭を破壊しようとするのです。異教徒が入り込んだためにギクシャクしている家庭もあったかもしれませんが、仲睦まじい家庭もあったことでしょう。そのようになった理由は、帰還した者たちの間に、圧倒的に齢期の女性が少なかったのかもしれません。
 また、どこであっても、住むためには「ご近所さん」と仲良くしなければなりません。商売や農業をするにしても、「付き合い」が必要です。それらの現実の中で異教徒との結婚も起こりえたのでしょう。あの、民数記の時代のように、一方的に誘惑されて、「遊び」のために情を通じた者(民数記25章)の方が少なかったのではないでしょうか。

 ともあれ、エズラに同調する者たちは、言うのです。

 立ち上がってください。このことはあなたの肩にかかっています。私たちはあなたに協力します。勇気を出して実行してください。」(エズラ記10章4節)


 そこで、エズラは、祭司やレビ人や、全イスラエルのつかさたちに、この提案を実行するように誓わせたのです。




posted by さとうまさこ at 10:46| Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする