2015年09月19日

Coffee Break詩編・159 あなたは変わることがなく、あなたの年は尽きることがありません。(詩編102編18節〜28節)



 苦しみにあえいで祈る「神の選びの民」は、苦しみのトンネルから抜け出すことができるのでしょうか。
 出来たのだと、思います。
 それは、泣き疲れてやがて眠り込み、目覚めた時には幾分元気になって、仕切り直しの気分を新たにして立ち上がった、といったことでしょうか。

 私たちは、苦しんで人に助けを求めると、何らの解答を得られるかもしれません。慰めの言葉や食事のもてなしや、その屋根の下で休むように言ってくれる友人もいることでしょう。お医者様に行けば、じっくり話を聞いてくれて、適切な薬を出してくれます。気持ちが落ち着いて、よく眠れる薬と、「彼は安静を必要としている」という会社あての診断書などです。

 薬を飲み、お医者様の勧めと勤め先の理解で仕事を休み、安静にしていると、癒される苦しみや悲しみも、たしかにあることでしょう。
 でも、医者や薬は望むべくもない状況に置かれることも多いのです。
 たとえば、今もニュースになっている「難民」です。難民には、食事やテントや薬が与えられても、たぶん、根本的な解決にはならないのでしょう。
 本当の解決は、彼らを、私たち一人一人が自分の隣人として受け入れて、自分と同じ椅子を与えてあげることでしょうか。でも、人間に、そのようなことができるでしょうか。
 たとえば、一年で50万人の難民を受け入れるとなると、日本のような豊かな国でもかなりの騒ぎとなるでしょう。

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 捕囚を経験したイスラエルの民の絶望は、いわば難民の絶望ではないでしょうか。みすぼらしくて弱いだけでなく、人からそしられ、さげすまれるのです。後ろ楯になってくれる国家がないからです。
 
 できることは、祈りです。徹底的に惨めな自分を神の前にさらし、心を注ぎ出して祈るとき、自分の「思い違い」に気が付くのではないでしょうか。
 自分の身分を保証してくれる人間の国家はないけれど、イスラエルの民は、「神の国」の国民です。、彼らの王は、主――神ご自身であるのです。

 次のことが、後の時代のために書きしるされ、
 新しく造られる民が
 主を賛美しますように。(18節)
 主はその聖なるいと高き所から見おろし、
 天から地の上に目を注がれました。(19節)
 捕われ人のうめきを聞き、
 死に定められた者を解き放つために。(20節)
 人々が、主の名をシオンで語り、
 エルサレムで主を賛美するために。(21節)
 また、国々の民や、王国が共に集められるとき、
 主に仕えるために。(22節)

 この詩人は、目の前の災難から救い出されることなく、難民のまま死んでしまうかもしれません。でも、自分たちの王がだれであるかを思い起こすとき、「神の民」が滅びるなんてあり得ないと気が付いて、子供たちや子孫が、ふたたび神の都シオンで神の元に集う確信が持てるのです。

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 主は私の力を道の途中で弱くされ、
 私の日数を短くされました。(23節)
 私は申しました。
 「わが神よ。私の日の半ばに
 私を取り去らないでください。
 あなたの年は代々に至ります。(24節)
 あなたははるか以前に地の基を据えられました。
 天も、あなたの御手のわざです。(25節)

 詩人は、いつしか、自分が経験している苦しみを嘆く代わりに、神が御造りになった世界の永遠に、思いを馳せています。
 自分だけでなく、この世界にあるすべてのものは、いつか滅びるのだと気が付いています。地や天でさえ滅びるというのです。ユダ王国が滅びたように、バビロンもペルシャも滅びるでしょう。捕囚生活も必ず終わりが来るのです。
 すべてが、滅びても変わらず立っているお方が、主・神です。

 これらのものは滅びるでしょう。
 しかし、あなたはながらえられます。
 すべてのものは衣のようにすり切れます。
 あなたが着物のように取り替えられると、
 それらは変わってしまいます(26節)

 もし、自分たちがその神の民、「神の選びの民」であるなら、と彼は歌うのです。

 しかし、あなたは変わることがなく、
 あなたの年は尽きることがありません。(27節)
 あなたのしもべらの子孫は住みつき、
 彼らのすえは、
 あなたの前に堅く立てられましょう。」(28節)

 このような視点で、自分が神の御手にある事に気が付いたとき、詩人の苦しみは消え去っていた、と思うのです。これこそ、ほんとうの神による回復です。人か人を助ける親切も、心や脳に働く薬も大切ですが、根本的な解決は、やっぱり神様を見上げることではないでしょうか。







posted by さとうまさこ at 10:13| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする