2016年08月15日

エレミヤ書64 迫害するものへの対処、復讐の訴え、(エレミヤ書18章18節〜23節)



 彼らは言った。「さあ、私たちは計画を立ててエレミヤを倒そう。祭司から律法が、知恵ある者からはかりごとが、預言者からことばが滅びうせることはないはずだから。さあ、舌で彼を打ち、彼のことばにはどれにも耳を傾けまい。」(エレミヤ書18章18節)

 「正しいこと」を語るのはリスクです。世俗的な取り決めでさえ、「正しいこと」を語られると、「カチンとくる」のが人間です。たとえば、ごみ処理の仕方、たとえば、礼拝時のちょっとした遅刻。講演中につい私語をして、静かに聞いている人からにらまれた経験はだれにもあるでしょう。私も、まったく初めての町のバスストップで、ちょうど来ているバスに飛び乗ろうとして、年配の男性から「みんな並んでいるんだ」と怒鳴られてことがあります。バス待ちの列はたくさんあり、目的のバスは到着したばかりであり、その列の人はのまだ行儀よく並んでいるだけだったので、気が付かなかったのです。
 どのケースも「正しいやり方」をしなかったために、とがめられたわけです。それでも、あまり愉快ではないのです。

 大きなミスなら反省するというのでもありません。「(そんな規則を作って咎める)学校が悪い」「親が悪い」「会社が悪い」「政府が悪い」「社会が悪い」と、逆襲する人はたくさんいます。
 イスラエルの民は、「神さまが悪い」とは、さすがに言えなかったのでしょう。そこで、神の言葉を取り次ぐ預言者に八つ当たりしているのです。つまりは、預言者エレミヤを迫害して、「うさばらし」をしているのです。
 これでは、エレミヤの「立場」がありません。心理的にもたまったものではないでしょう。

  主よ。私に耳を傾け、
  私と争う者の声を聞いてください。(19節)
  善に悪を報いてよいでしょうか。
  まことに彼らは、私のいのちを取ろうとして
  穴を掘ったのです。
  私があなたの御前に立って、
  彼らに対するあなたの憤りをやめていただき、
  彼らについて良いことを語ったことを、
  覚えてください。(20節)

 エレミヤは、神の怒りの言葉を、民に伝えただけではありませんでした。神と民の間に立って、とりなしの祈りもおこなっているのです。ところが、民はこのようなエレミヤの苦心を知ろうとしません。あるいは無視しています。
 迫害されたエレミヤは、怒り心頭に達しています。

 民に復讐して下さいというエレミヤの言葉は、激しく鬼気迫るものがあります。

  それゆえ、彼らの子らをききんに渡し、
  彼らを剣で殺してください。
  妻たちは子を失い、また、やもめになり、
  夫たちは虐殺されて死に、
  若い男たちは戦いで剣に殺されますように。(21節)
  あなたが突然、略奪隊に彼らを襲わせるとき、
  彼らの家からの叫びが聞こえます。
  彼らは私を捕えようと穴を掘り、
  私の足もとに、わなを隠したからです。(22節)

★★★★★

  しかし、主よ。あなたは、
  私を殺そうとする彼らの計画を
  みな、ご存じです。
  彼らの咎をおおわず、
  彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。
  彼らを、御前で打ち倒し、
  あなたの御怒りの時に、彼らを罰してください。(23節)

 私たち新約の民は、イエス・キリストの言葉に心を動かされ、イエスさまに似たものに変えられたいと思うのです。
 「あなたの敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」(マタイの福音書5章44節)
 それで、エレミヤのこのような「復讐要請」の祈りには、驚くのです。エレミヤに同情しつつも、共感してはいけないような気持ちにさせられます。さらに、同じような煩悶を自分がいだくことがあることにも気づかされて、焦ってしまいます。

 似たような悩みは、教会での分かち合いでも聞くことです。「仕事場に嫌な人がいて、いらいらさせられるけれど、愛さなければいけないと思って苦しい」と言うような、悩みを聞きます。
 少しだけ、エレミヤ書から学ぶヒントがあるでしょうか。

 私は、エレミヤがこれらの言葉を、神様との間で交わしているのを覚えたいと思うのです。同じことを、人に対して言ったら明らかに、間違うのではないでしょうか。人が返してくれる言葉は、神様より「私に同情的」かもしれませんが、きっとその時、神様はやり取りをご覧になって、「違う、違う。なぜ、その訴えをわたしに提出しない」と言われているでしょう。その声は、もちろん、預言者ではない私には聞こえないのですが。でも、神にお話しする経験をたくさん積むのは、無駄ではないと、思うのです。







posted by さとうまさこ at 10:13| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする