2016年08月17日

エレミヤ書66 預言者と祭司(エレミヤ書20章1節〜6節、マタイの福音書5章10節〜12節、創世記)



 祭司であり、主の宮のつかさ、監督者であるイメルの子パシュフルは、エレミヤがこれらのことばを預言するのを聞いた。(エレミヤ書20章1節)
パシュフルは、預言者エレミヤを打ち、彼を主の宮にある上のベニヤミンの門にある足かせにつないだ。(2節)

 聖書を読んでいる者にとっては、祭司と預言者に身分の上下があるかなど、意味のない問です。神と人との物語、神が人をお救いになる物語である聖書では、その最初から神は言葉で、すべてを支配しておられました。宇宙万物も言葉によって造られました。生きものも植物も、神の言葉から生まれました。人間に対しても、まず言葉が先にありました。

 神は仰せられた。「さあ、人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて、彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」(創世記1章26節)

 楽園から追放されても、神は人に語り続けておられます。カインの弟アベルへの殺意に警告し、罪を犯したカインの悔悟の声に答えて、彼が殺されないようにしてくださいました。(創世記4章)
 ノアも神の声に従って箱舟を造り、箱舟に入ったのです。(創世記6章13節)
 アブラハムは、神の声に従ってメソポタミヤのハランから出て来て、カナンに入りました。神はアブラハムに声を掛けて彼を導き続け、(創世記12章〜)
 アブラハムは神の言葉を聞いて彼の歩みを定めました。大切な一人息子イサクを、犠牲として神にささげよと命じられた時でさえ、アブラハムは、従いました。
 創世記に出て来るアブラハムの家をひきつぐ男はみな、預言者といえる性質をもっていました。

 出エジプト記は、このアブラハムの子孫がエジプトを出る話です。まだ、国家も祭司制度もなかった時代に、神はモーセを召されて全イスラエルのリーダーとされたのです。つまり、この時代、預言者こそ民の頂点に立つリーダーであると、神はお定めになったのです。
 祭司制度でさえ、モーセが神の預言を受けて定めたものです。(出エジプト記28章1節)

 ところが、王国時代になると、どうやら、預言者の権威は、世俗の権力と切り離されています。王や祭司には、さまざまな世俗の力があったようです。
 サウルに油を注ぐまで(王冠を授けるまで)サムエルは、イスラエルをさばく預言者でした。しかし、ひとたび王制が確立すると、ダビデに油を注ぐことにさえ恐れています。(Tサムエル記16章2節)
 また、エリヤほどの預言者でも、悪女イザベラ王妃の迫害を恐れて、逃げ隠れするのです。(T列王記19章1節〜5節)
 祭司パシュフルがエレミヤを打ち、足枷を付けて繋ぐということは、明らかに預言者には、世俗的な権力がなかったからでしょう。

 イエスさまも仰せです。

 義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。
 わたしのために人々があなたがたをののしり、迫害し、ありもしないことで悪口を浴びせるとき、あなたがたは幸いです。
 歓びなさい。喜びおどりなさい。天ではあなたがたの報いは大きいから。あなたがたより前にいた預言者たちを、人々はそのように迫害したのです。(マタイの福音書5章10節〜12節)

★★★★★

 足かせから解かれた後、神は次のような預言を、エレミヤに授けられました。
 これまでの預言は、イスラエルやユダの人びとに対するものでしたが、ここははっきりと、迫害者パシュフルを標的になっています。

 翌日になって、パシュフルがエレミヤを足かせから解いたとき、エレミヤは彼に言った。「主はあなたの名をパシュフルではなくて、『恐れが回りにある』と呼ばれる。(3節)
 まことに主がこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを、あなた自身とあなたの愛するすべての者への恐れとする。彼らは、あなたの目の見る所で、敵の剣に倒れる。また、わたしはユダの人全部をバビロンの王の手に渡す。彼は彼らをバビロンへ引いて行き、剣で打ち殺す。(4節)
 また、わたしはこの町のすべての富と、すべての勤労の実と、すべての宝を渡し、またユダの王たちの財宝を敵の手に渡す。彼らはそれをかすめ奪い、略奪し、バビロンへ運ぶ。(5節)
 パシュフルよ。あなたとあなたの家に住むすべての者は、とりことなって、バビロンに行き、そこで死に、そこで葬られる。あなたも、あなたが偽りの預言をした相手の、あなたの愛するすべての人も。』」(6節)

 このような容赦のない言葉を自分と自分の一族に浴びせられたパシュフルが、怒り心頭になり、さらにエレミヤを迫害したことは容易に想像がつきます。
 エレミヤは、苦しんで、神に泣き叫んでいます。








posted by さとうまさこ at 10:59| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする