2016年09月03日

エレミヤ書83 わたしはこの宮をシロのようにし、この町を地の万国ののろいとする。――神の怒り、3{エレミヤ書26章1節〜9節)



 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの治世の初めに、主から次のようなことばがあった。(エレミヤ書26章1節)
 「主はこう仰せられる。主の宮の庭に立ち、主の宮に礼拝しに来るユダのすべての町の者に、わたしがあなたに語れと命じたことばを残らず語れ。一言も省くな。(2節)
 彼らがそれを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしは、彼らの悪い行ないのために彼らに下そうと考えていたわざわいを思い直そう。(3節)

 神殿は、神聖政治国家ユダの中心です。神が人間世界に歩み寄って来られる聖所であり、その意味は、神とのきずなの結び目だったということです。
 主は、神殿にはお住まいにならないとソロモンも認めていますが(T列王記8章27節)、しかし、神殿の至聖所には、主が臨んで下さるのです。なぜなら、そこは祭祀儀礼の権威の中心だからです。神に仕える祭司とレビ族はイスラエルの中に、広く散って住んでいましたが、交代で神殿で仕えたのです。ランダムな交代ではなく、順番は決められた通りに回って来て、神殿に仕える祭司は律法に定められた祭司としての務めを果たすため、身をきよめて入ったのです。(レビ記21章22章)
 また、イスラエル中の人々がここに上って来て、ささげ物をし、祭司に祈ってもらったのです。実際の政治は王や各部族の長老が行なったとしても、その王でさえ、神から油を注がれるのですから、神殿の権威の大きさは言うまでもありません。

 エレミヤは、神の言葉を神殿の庭で語るようにと、命じられるのです。主の宮に来るすべての町のものに、主が語れと仰せになった預言を語るためです。

 だから彼らに言え。『主はこう仰せられる。もし、あなたがたがわたしに聞き従わず、あなたがたの前に置いたわたしの律法に歩まず、(4節)
 わたしがあなたがたに早くからたびたび送っているわたしのしもべである預言者たちのことばに聞き従わないなら、――あなたがたは聞かなかった――(5節)
 わたしはこの宮をシロのようにし、この町を地の万国ののろいとする。』」(6節)

 神から一方的に召命を受ける預言者は、聖書の中では特別な存在です。
 何と言っても、聖書は、神が主人公の書物です。創世記の初めから、記されているのは、神の行なわれたことです。Coffee Breakの最初の頃に書きましたが、ですから、聖書を読むにあたって「神が存在する」、それも「生きて働いておられる神」を認めないと、聖書は一行も理解できません。理性や論理でわかるように見えても、実際には、その中に分け入ることができないのです。生きて働かれる神、この世界のすべての所有者で、この世界そのものとして自存している存在で、しかも、声や言葉、熱、力をもって歴史を作っておられることは、聖書を読んで実際に納得していくしかないのです。

 神の選びの民イスラエル(イスラエル王国とユダ王国の住民)は、彼らの神を畏れ敬い、誇りと思っていたに違いないのです。イスラエル民族は神によって造られ、エジプトに植えられ、エジプトから連れ出していただき、シナイ山で契約とともに神聖政治国家イスラエルを与えていただいたのです。まだ、領土も、国家としての制度もほとんど整っていない国の民に、神は約束の地を目指すよう励まして、彼らをカナンに入れたのです。
 その神の力とみわざを、多くのイスラエル人は承知していたと思うのです。それでも、実際に彼らが領土をもち、王をもち、周辺国と交易したり戦ったりするとき、神は、彼らの中心から、だんだん遠くへ押しこめられたのでしょうか。

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 祭司と預言者とすべての民は、エレミヤがこのことばを主の宮で語っているのを聞いた。(7節)

 シロの宮は士師記の時代に、エフライムのシロに置かれた会見の天幕(幕屋)のことです。カナン進攻が一段落したとき、イスラエル人の全会衆はシロに集まり、そこに会見の天幕を建てた(ヨシュア記18章1節)のです。エフライムは、イスラエルの中心地であり、が豊かな地であり、当時まだ、エルサレムはなかったので、シロは幕屋のある場所としてハンナの時代(Tサムエル記1章3節〜)まで、明記されています。
ところが、祭司エリの二人の息子がペリシテ人との戦いで神の箱を持ち出し、揚句に神の箱を奪われて大敗北を喫してしまいます。この時、シロの神殿も破壊されたと推測されています。(新聖書辞典・いのちのことば社P638)

 エレミヤの預言はこの歴史に基づいているのです。これはもちろん、祭司や預言者にとって恐ろしい預言でした。聞きたくないことを語るエレミヤを彼らは捕えてしまうのです。

 主がすべての民に語れと命じたことをみな、エレミヤが語り終えたとき、祭司と預言者とすべての民は彼を捕えて言った。「あなたは必ず死ななければならない。(8節)
 なぜ、主の御名により、この宮がシロのようになり、この町もだれも住む者のいない廃墟となると言って預言したのか。」こうしてすべての民がエレミヤを攻撃しに、主の宮に集まった。(9節)








posted by さとうまさこ at 10:46| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする