2016年09月18日

エレミヤ書98 そのとき、バビロンの王の軍勢がエルサレムを包囲中で、(エレミヤ書32章1節〜25節)



 ユダの王ゼデキヤの第十年、すなわち、ネブカデレザルの第十八年に、主からエレミヤにあったみことば。(エレミヤ書32章1節)
 そのとき、バビロンの王の軍勢がエルサレムを包囲中で、預言者エレミヤは、ユダの王の家にある監視の庭に監禁されていた。(2節)


 ヨシヤ王の死後、ユダ王国は急坂を転げ落ちるように滅亡に向います。ヨシヤの子エホアハズ、エホヤキム、その子エホヤキン、エホヤキンのおじゼデキヤの四人の王は、人間の目で見ればいずれも「悲劇の王」でした。
 エホヤキムの時代からエルサレムは、バビロンのネブカデネザルに攻められ、第一回、第二回、第三回と捕囚に連れ去られます。とりわけ、ゼデキヤの治世の9年に始まったバビロン軍によるエルサレムの包囲は、11年まで足かけ3年間にわたり、エルサレムはいわば兵糧攻めにあっていたので、飢え渇き、疫病がはびこり、イスラエル人同士の殺し合いがはじまるほどでした。

 この時、エレミヤが王の家に監禁されていたのは、王に都合の悪い預言をするからでした。

 彼が監禁されたのは、ユダの王ゼデキヤがエレミヤに、「なぜ、あなたは預言をするのか。」と尋ねたとき、エレミヤが次のように答えたからである。「主はこう仰せられる。『見よ。わたしはこの町をバビロンの王の手に渡す。それで、彼はこれを攻め取る。(3節)
 ユダの王ゼデキヤは、カルデヤ人の手からのがれることはできない。彼は必ずバビロンの王の手に渡され、彼と口と口で語り、目と目で、彼を見る。(4節)
 彼はまた、ゼデキヤをバビロンへ連れて行く。それでゼデキヤは、わたしが彼を顧みる時まで、そこにいる。――主の御告げ――あなたがたはカルデヤ人と戦っても、勝つことはできない。』」(5節) 

 たしかに、敵からの包囲を必死に持ちこたえようとしている王にとっては、エレミヤの預言は許しがたいものでした。まして、動揺が広がっているエルサレムの中で告げてほしくないことばです。戦いの最中に「勝つことはできない」などという託宣を聞きたい人がいるでしょうか。

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 そのとき、エレミヤは言った。「私に次のような主のことばがあった。(6節)
 見よ。あなたのおじシャルムの子ハナムエルが、あなたのところに来て、『アナトテにある私の畑を買ってくれ。あなたには買い戻す権利があるのだから。』と言おう。(7節)
 すると、主のことばのとおり、おじの子ハナムエルが私のところ、監視の庭に来て、私に言った。『どうか、ベニヤミンの地のアナトテにある私の畑を買ってください。あなたには所有権もあり、買い戻す権利もありますから、あなたが買い取ってください。』私は、それが主のことばであると知った。(8節)
 そこで私は、おじの子ハナムエルから、アナトテにある畑を買い取り、彼に銀十七シェケルを払った。(9節)
 すなわち、証書に署名し、それに封印し、証人を立て、はかりで銀を量り、(10節)
 命令と規則に従って、封印された購入証書と、封印のない証書を取り、(11節)
 おじの子ハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、監視の庭に座しているすべてのユダヤ人の前で、 購入証書をマフセヤの子ネリヤの子バルクに渡し、(12節)
 彼らの前で、バルクに命じて言った。(13節)

 これは、預言をしているエレミヤ自身の信仰が問われている個所です。いきさつはわかりませんが、「エレミヤのおじさんがやってきて、ベニヤミンの地アナトテの彼の土地を買い取ってほしいと頼むであろう」との主のことばがありました。これは、エレミヤがそのおじから見て「買い戻しの権利」のある親戚だったからでしょう。
 事実その通りだったので、エレミヤはおじの畑を買戻し、お金も払ってやり、法的な証書の手続きもしたのです。
 主の御命令どおり行ったのです。

 『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。これらの証書、すなわち封印されたこの購入証書と、封印のない証書を取って、土の器の中に入れ、これを長い間、保存せよ。(14節)
 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。再びこの国で、家や、畑や、ぶどう畑が買われるようになるのだ。』と。」(15節)

 しかし、エレミヤの気持ちの中では釈然としないものがあったのでしょう。
 エレミヤは、主の前に長々と煩悶の気持ちをそそぎだしています。

 私は、購入証書をネリヤの子バルクに渡して後、主に祈って言った。(16節)
 「ああ、神、主よ。まことに、あなたは大きな力と、伸ばした御腕とをもって天と地を造られました。あなたには何一つできないことはありません。(17節)
 あなたは、恵みを千代にまで施し、先祖の咎をその後の子らのふところに報いる方、偉大な力強い神、その名は万軍の主です。(18節)
 おもんぱかりは大きく、みわざは力があり、御目は人の子のすべての道に開いており、人それぞれの生き方にしたがい、行ないの結ぶ実にしたがって、すべてに報いをされます。(19節)
 あなたは今日まで、エジプトの国で、イスラエルと、人の中で、しるしと不思議を行なわれ、ご自身の名を、今日のようにされました。(20節)
 あなたはまた、御民イスラエルを、しるしと、不思議と、強い御手と、伸べた御腕と、大いなる恐れとをもって、エジプトの国から連れ出し、(21節)
 あなたが彼らの先祖に与えると誓われたこの国、乳と蜜の流れる国を彼らに授けられました。(22節)
 彼らは、そこに行って、これを所有しましたが、あなたの声に聞き従わず、あなたの律法に歩まず、あなたが彼らにせよと命じた事を何一つ行なわなかったので、あなたは彼らを、このようなあらゆるわざわいに会わせなさいました。(23節)
 ご覧ください。この町を攻め取ろうとして、塁が築かれました。この町は、剣とききんと疫病のために、攻めているカルデヤ人の手に渡されようとしています。あなたの告げられた事は成就しました。ご覧のとおりです。(24節)
 神、主よ。あなたはこの町がカルデヤ人の手に渡されようとしているのに、私に、『銀を払ってあの畑を買い、証人を立てよ。』と仰せられます。」(25節)









posted by さとうまさこ at 11:09| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする