2016年09月28日

エレミヤ書107 国の方向を示す預言(エレミヤ書36章14節〜19節)



 どの時代でも、どの国でも、支配者を悩ませるのは、政治的路線のかじ取りでしょう。
 たとえ、国内ではどれほどの独裁者であっても他国との関係をどう保つかは、国の存亡やた自分の立場にかかわる大問題です。
 ヒットラーは共産主義者やユダヤ人や障害者を弾圧の標的にして、生活に苦しむ中産階級の不満を吸収していき、政権の基盤を強固にしたと言われています。それ以上に、彼をカリスマ独裁者に押し上げたのは、他国への侵略でした。容赦のない侵略で勝ち戦を重ねれば、一時的にでも、国民の士気は上がり、国は隆盛になります。一方、負け戦は、権力者や国民に大きなダメージを与えます。

 日本のような強大な国で、繁栄の下にあっても、隣の国がミサイルを撃ったニュースに動揺するのです。
 二千五百年前のユダ王国が、大国バビロンとエジプトの間で生き残りに右往左往したのは無理もありません。当時の侵略の無慈悲さは現代の比ではありません。アッシリヤによってすでに、兄弟国イスラエルの運命を見ていたユダには、その恐ろしさがよくわかったのでしょう。今のように、世界中の情報が瞬時に入ってくる時代ではないのです。未来情勢や自分たちの選択について頼りになるのは、神のあわれみと、預言者のことばだったでしょう。

 エレミヤ書36章には、エホヤキムの第五年に、エルサレムのすべての民と、ユダの町々からエルサレムに来ているすべての民に断食が布告された(9節)と記録があります。 断食は、「肉体的苦痛を通して、深い罪の自覚と恐れをもって神に近づく者の熱心な祈りと悔い改めを表現している。(新聖書辞典)
 エルサレムの人々が神の声を聞きたがっていたのは事実です。つまり、預言者たちに、預言を求めたのです。

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 エレミヤの書記ネリヤの子バルクは、すべて預言者エレミヤが命じたとおりに、主の宮で主のことばの巻き物を読んだ。そのとき、シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、その書物にあるすべての主のことばを聞き、それを王宮の書記の部屋にいた、すべての首長たちに聞かせたのです。

 すべての首長たちは、バルクのもとにクシの子シェレムヤの子ネタヌヤの子エフディを遣わして言わせた。「あなたが民に読んで聞かせたあの巻き物、あれを手に持って来なさい。」そこで、ネリヤの子バルクは、巻き物を手に持って彼らのところにはいって来た。(エレミヤ書36章14節)
 彼らはバルクに言った。「さあ、すわって、私たちにそれを読んで聞かせてくれ。」そこで、バルクは彼らに読んで聞かせた。(15節)
 彼らがそのすべてのことばを聞いたとき、みな互いに恐れ、バルクに言った。「私たちは、これらのことばをみな、必ず王に告げなければならない。」(16節)

 巻物の内容は、ユダの首長たち(政治指導部)にとっては、思いがけないものでした。
 バビロンに降伏して捕囚になるようにと勧める内容だったからです。王や指導者は、バビロンに抵抗し、エジプトを頼ろうとしていたのです。エレミヤは、世論を混乱させる都合の悪い預言をしていると思われたのです。人々の耳に快い、楽観的な預言をする偽預言者たちとは対照的な未来預言でした。
 
 彼らはバルクに尋ねて言った。「さあ、どのようにして、あなたはこれらのことばをみな、彼の口から書きとったのか、私たちに教えてくれ。」(17節)
 バルクは彼らに言った。「エレミヤがこれらすべてのことばを私に口述し、私が墨でこの巻き物に書きしるしました。」(18節)
 すると、首長たちはバルクに言った。「行って、あなたも、エレミヤも身を隠しなさい。だれにも、あなたがたがどこにいるか知られないように。」(19節)

 首長たちは、バルクに、エレミヤとともにすぐに逃げ、身を隠すように勧めます。







posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする