2016年10月10日

エレミヤ書119 暗殺者イシュマエルとその仲間(エレミヤ書41章1節〜9節)


 
 暗殺者イシュマイルがいよいよゲダルヤの前に現れます。王族の一員であるイシュマイルには、宮廷の仲間がいたのでしょう。ゲダルヤは、すでにイシュマイルの奸計について情報を得ていたのに、忠告を信用しませんでした。一行を食事に招くのです。

 ところが第七の月に、王族のひとり、エリシャマの子ネタヌヤの子イシュマエルは、王の高官と十人の部下を連れて、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに来て、ミツパで食事を共にした。(エレミヤ書41章1節)
 そのとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた十人の部下は立ち上がって、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを剣で打ち殺した。イシュマエルは、バビロンの王がこの国の総督にした者を殺した。(2節)
 ミツパでゲダルヤとともにいたすべてのユダヤ人と、そこに居合わせたカルデヤ人の戦士たちをも、イシュマエルは打ち殺した。(3節)

 食事の席には、大勢の人たちがいたようでした。少なくとも、ゲダルヤとイシュマエルたちの内輪の食事会ではなかったようです。多くのユダヤ人と、ゲダルヤのブレーンになっていたようなバビロンからの役人までいたのです。そのような席なのでゲダルヤは暗殺など警戒していなかったのかもしれません。しかし、結果的には、大惨事でした。
 しかも、暗殺を成功させて逃亡するイシュマエルは、おりから、ミツバにやってきたユダヤ人(といっても北イスラエル人)をも殺してしまうのです。

 ゲダルヤが殺された次の日、まだだれも知らないとき、(4節)
 シェケムや、シロや、サマリヤから八十人の者がやって来た。彼らはみな、ひげをそり、衣を裂き、身に傷をつけ、手に穀物のささげ物や乳香を持って、主の宮に持って行こうとしていた。(5節)
 ネタヌヤの子イシュマエルは、彼らを迎えにミツパを出て、泣きながら歩いて行き、彼らに出会ったとき、言った。「アヒカムの子ゲダルヤのところにおいでなさい。」(6節)
 彼らが町の中にはいったとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた部下たちは、彼らを殺して穴の中に投げ入れた。(7節)

 ミツバに上って来た人たちは、陥落したエルサレムと神殿のために祈りに上って来た巡礼でした。イシュマエルは、あたかも彼らと同じ巡礼のようなふりをして、「泣きながら」彼らに近づいて殺してしまうのです。
じつに腹黒い悪意に満ちた男だったようです。
 隠している財産があると言って命乞いをした十人だけは、殺されずに済みました。

 彼らのうちの十人がイシュマエルに、「私たちを殺さないでください。私たちは、小麦、大麦、油、蜜を畑に隠していますから。」と言ったので、彼は、彼らをその仲間とともに殺すのはやめた。(8節)

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 国が崩壊するといった大きな出来事は、たしかに人の心を荒ませます。残虐な行為が横行したりするのは、戦場の逸話などにはよく出てきます。あるいは、普段隠している残虐さが、そのような機会に心の表に出て来るのでしょうか。

 イシュマエルの話は、ギデオン(エルバアル)の子アビメレクの、兄弟暗殺事件を思い出させます。かつて士師記の時代、ミデヤン人からイスラエルを救った大士師ギデオンには、息子が七十人もありました。その中の一人がほかの兄弟を全員殺して支配権を独り占めしようとするのです。
 このような暗殺は当然、残酷で卑怯なやり方で実行されたのです。(士師記9節1節〜5節)こうして、せっかく神の声を聞いて戦ったギデオンの功績は消えてしまい、ギデオンの子孫は呪いの中で、殺し合いをすることになります。(士師記9章〜10章)

 人間の罪の深さは、神が介入されたエルサレムの崩壊、バビロンによるユダの平定の場でさえ、悪夢にしてしまうようです。

 イシュマエルが打ち殺した、ゲダルヤの指揮下の人たちのすべての死体を投げ入れた穴は、アサ王がイスラエルの王バシャを恐れて作ったものであった。ネタヌヤの子イシュマエルはそれを、殺された者で満たした。(9節)









posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする