2016年10月27日

エレミヤ書136 モアブの敗戦――神の審判(エレミヤ書48章32節〜38節)



 どうしてこうも打ちのめされて、泣きわめくのか。どうして、モアブは恥を見、背を見せたのか。モアブは、その回りのすべての者の物笑いとなり、恐れとなってしまった。(エレミヤ書48章39節)
  まことに、主はこう仰せられる。「見よ。彼は鷲のように飛びかかり、モアブに向かって翼を広げる。(40節)
  町々は攻め取られ、要害は取られる。
  その日、モアブの勇士の心も、
  産みの苦しみをする女の心のようになる。(41節)
  モアブは滅ぼされて、民でなくなった。
  主に対して高ぶったからだ。(42節)
  モアブの住民よ。恐れと穴とわなとが、
  あなたを襲う。――主の御告げ――(43節)
  その恐れから逃げた者は、穴に落ち、
  穴から上る者は、わなに捕えられる。
  わたしがモアブに、
  彼らの刑罰の年を来させるからだ。
  ――主の御告げ――(44節)

 神が、エジプト、モアブなどイスラエルの周辺国をこれほどに打たれるのを、私たち聖書読者は、どう考えればいいのでしょう。たしかに彼らは偶像を拝んでいました。その偶像をイスラエルに持ち込みました。イスラエルの民の堕落に、これら周辺国の影響は大きいのです。さらに、陸続きの狭い地域で共存しているのですから、利害の対立による争いと商取引、縁組・結婚などによる交流(付き合い)があります。

 争いの時に、敵の神を祀ることはないかもしれません。しかし、戦時下の過酷な体験は、自分の神への信仰の確信も揺らぐときです。
 イスラエルの民が主の目の前に悪を行ない、結果、ミディアン人の襲撃から逃げ隠れしていた時代、神が声をかけて召された士師ギデオンでさえ神を疑っていました。(士師記6章)
彼は自分に話しているのが、「主」であるかどうかを疑うのです。
 「ああ、主よ。もし主が私たちといっしょにおられるなら、なぜこれらのことがみな、私たちに起ったのでしょうか。」と神にくってかかっているのです。(士師記6章13章)
 さらに、そのあと、何度も主にしるしを求めています。(同17節〜21節、37節39節))

 このような神への不信の態度は、一見繁栄しているものの、その実厳しい緊張の下で生きている現代社会では、むしろあたりまえにも見えます。

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 近隣諸国とうまくいっている時はどうでしょう。
 私たちは好むと好まざるとにかかわらず、隣人と「うまくやっていく」しかありません。交易や縁組などの交流があるところ、信仰の境目があいまいになるのは、神の選びの民「イスラエル」でさえ、どうにもならなかったのです。庶民はとにかく、王であったソロモンが多くの異教の妻を娶り、妻の祀る神を容認したことはすでに、ソロモン在世中に神の怒りを買っていました。(T列王記11章1節〜39節)
 その結果、神は、ソロモンの官僚であったエフライム人ヤロブアムに、イスラエルの十部族を与えて北イスラエルを立たせられたのです。このことが、せっかくダビデが築いたイスラエル王国弱体化の最初のきっかけであったことは事実です。

 なによりも神に知恵を求め、父ダビデの遺志を継いで神殿を建設をしたソロモンです。信仰が弱かったとは思えません。しかし、彼は、あまりにも恵まれた「成功者」でした。多くの富を求め、それを蓄えることができました。多くの妻や軍備は民への重税や、みずからの生活の奢侈へとつながって行きました。すべての望む物を手に入れた王になりました。その結果、「伝道者の書」にあるような、いささか虚無的な「空しい」心情に陥ったのでしょう。このようなゆるんだ豊かさに、悪魔が付け入るのは簡単です。
 
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  ヘシュボンの陰には、
  のがれる者たちが力尽きて立ち止まる。
  火がヘシュボンから、炎がシホンのうちから出て、
  モアブのこめかみと、
  騒がしい子らの頭の頂を焼いた。(45節)
  ああ。モアブ。
  ケモシュの民は滅びた。
  あなたの息子はとりこにされ、
  娘は捕虜になって連れ去られた。(46節)

 モアブへの罰は、それでも、神・主が、イスラエルだけでなく、周辺の民をも心に掛けておられるその表れだと言えないでしょうか。
 新約聖書は、「神は、良い人のためにだけでなく、悪い人にも雨を降らせ、日を照らして下さる方」だと記しています。(マタイの福音書5章45節)その意味は、神は、私たちすべての「造り主」で、だからこそ、 今も「一人として滅びることのないよう」願っておられると、私たちは宣教を促されています。

  しかし終わりの日に、
  わたしはモアブの繁栄を元どおりにする。
  ――主の御告げ――
  ここまではモアブへのさばきである。(47節)

 モアブがやがて、回復されるという預言はホッとする宣告です。





 

posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする