2011年12月22日

Coffee Breakヨシュア記・士師記115 イエス様の父ヨセフ(マタイの福音書1章2章、ルカの福音書2章)




 さて、ダン人の氏族で、その名をマノアというツォルア出のひとりの人がいた。彼の妻は不妊の女で、子どもを産んだことがなかった。(士師記13章2節)
 主の使いがその女に現れて、彼女に言った。「見よ。あなたは不妊の女で、子どもを産まなかったが、あなたはみごもり、男の子を産む。(3節)


 一昨日のCoffee Breakヨシュア記・士師記113で述べたように、聖書に記されている懐妊の奇跡のうち、イエス様ご誕生だけは、いわゆる人間世界の喜びとは少し違うものです。なにしろ、神ご自身がこの世に人の形を取ってお生まれになる話なのです。

 キリスト(メシヤ・救い主)の母に選ばれたマリヤは、「とまどって」(ルカの福音書1章29節)御使いガブリエルのみ告げに考えこんでしまったのです。けれども、とまどいは、父親になるヨセフの方が大きかったでしょうか。
 聖書は、四つの福音書の一番目「マタイの福音書」で、冒頭から、このヨセフに言及するために長い系図を載せています。(マタイの福音書1章1節〜16節)
 そのすぐ後に、イエス様の父となるヨセフが、その立場をどのようにして受け入れて行ったのかが書かれています。

 イエス・キリストの誕生は次のようであった。その母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。(18節)
 夫のヨセフは正しい人であって、彼女をさらし者にしたくなかったので、内密に去らせようと決めた。(19節)
 彼がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。(20節)
 マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救って下さる方です。」(21節)
 
 ヨセフは眠りからさめ、主の使いの命じられたとおりにして、その妻を迎え入れ、(24節)
 そして、子どもが生まれるまで彼女を知ることがなく、その子どもの名をイエスと名づけた。(25節)
 

 イエス様ご降誕当時のユダヤは、政治的にはローマ帝国の植民地でしたが、律法は行き渡っていたようです。ユダヤの律法では婚約は結婚と同じ制約と拘束力がありましたので、婚約中の不倫は、「姦通」と同じと見なされたのです。姦通は死刑ですから、ヨセフは、その意味でも胸を痛めたことでしょう。知らぬ間に、婚約は解消していたことにすれば、マリヤは「不品行」を行っただけの不名誉で済むのです。それで「内密に去らせようと決めた」のです。
 そこに、主の使いが、ヨセフの夢に現れて、「事実」を告げたのです。20節21節の主の使いのことばを信じたのは、ヨセフもまた敬虔なユダヤ教徒だったからです。もっといえば、聖書(旧約聖書)のことばを知っていたからと推測されます。当時のユダヤでは、十人以上の大人の男が集まる場所には会堂が建てられました。ヨセフもまた、そこで子どもの時から、神礼拝をし、(旧約)聖書を聞き、学んでいたでしょう。救い主の来臨はいくつも予言があるのです。イザヤ書7章14節はもっとも有名な個所でしょうか。

 それゆえ、主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして、男の子を産み、その名を「インマヌエル」と名づける。

 ★★★★★

 ヨセフがどれほど信仰の確かな人だったかは、結婚しても、マリヤがイエスを出産するまで「マリヤを知ることがなかった」というのでもわかります。ヨセフは、夫としての当然の権利を行使しないで、ひたすら、救い主のために、その母マリヤの後ろ盾になり保護者として、妻を守るのです。
 一方で、婚約時代にすでに、許婚(いいなづけ)を身ごもらせてしまった男として、ヨセフは人々の白い眼にも耐えなければならなかったかもしれません。
 ベツレヘムへの旅も、宿屋探しも、ヨセフひとりの肩にかかっていたことでしょう。
 
 イエス様がお生まれになった後も、ヨセフは何度か聖書に登場します。
 出産のきよめの期間(レビ記12章2節〜4節)が過ぎた後の「宮参り」がありました。また、イエスが十二才になった時にイエスを連れて、エルサレム神殿に上ったとき、「両親は」と言及されていますから、ヨセフは父親としてついて行ったのでしょう。
 
 マタイの福音書によれば、東方の博士が「救い主誕生の目撃報告」をするため、その帰り道にヘロデ王に会いに戻って来るはずでした。しかし、博士たちは、夢のお告げを受けて、ヘロデの元に行くことなく帰国しました。博士たちに裏切られたと知ったヘロデは、二歳以下の子供を一人残らず殺せと命令を出すのです。
 このヘロデの暴挙もまた、ヨセフに夢で予言されました。

「立って、幼子とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるまで、そこにいなさい。ヘロデがこの幼子を探し出して殺そうとしています。」(マタイの福音書2章13節)
 そこで、ヨセフは立って、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトに立ちのき、(14節)
ヘロデ王が死ぬまで、そこに滞在したのです。
*筆者注のちにサロメの願いを叶えて、バプテスマのヨハネの首をはねてしまうヘロデ王とは別人。彼の父親です。

 ヨセフは、イエスの父親として最初から苦労の多い人生を生きなければなりませんでした。しかも、十二歳の宮参りののちは、その名が出てこないので、早世したのではないかと言われています。







posted by さとうまさこ at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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