2012年01月06日

Coffee Breakヨシュア記・士師記130 デリラの誘惑(士師記16章6節〜16節)



 じつは、デリラがどういう女だったのかは、書かれていません。遊女か、いわゆるふつうの若い娘なのか、人妻なのか。どのような容姿で、どれほど美しかったか、男を夢中にさせる手練手管はどのようなものだったのか。ただ、その名前「デリラ」は、「浮気な、恋をもてあそぶ」の意味(新実用聖書注解・いのちのことば社)だそうですから、聖書記者はおのずと、デリラという女を示唆していると言えます。

 「あなたの強い力はどこにあるの。教えて」と寝物語に訊ねられても、さすがのサムソンも、正直に応じたのではありません。

 サムソンは彼女に言った。「もし彼らが、まだ干されていない新しい七本の弦(つる)で私を縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」(士師記16章7節)
 そこで、ペリシテ人の領主たちは、干されていない七本の新しい弦を彼女のところに持ってきたので、彼女はそれでサムソンを縛り上げた。(8節)
 彼女は、奥の部屋に待ち伏せしている者をおいていた。そこで彼女は、「サムソン。ペリシテ人があなたをおそってきます」と言った。しかし、サムソンはちょうど麻くずの糸が火に触れて切れるように、弓の弦を断ち切った。こうして、彼の力の元は知られなかった。(9節)


 この弦(つる)は、弓の絃に使われた麻です。弓に使われるくらいですから、当時としては最強の糸でした。
 サムソンが戯言(ざれごと)を言ったのを知って、デリラは怒ります。

「まあ、あなたは私をだまして、うそをつきました。さあ、今度はどうしたらあなたを縛れるか、教えてください。」(10節)
 すると、サムソンは彼女に言った。「もし、彼らが仕事に使ったことのない新しい綱で、私をしっかり縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」(11節)
 そこで、デリラは新しい綱を取って、それで彼を縛り、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます」と言った。奥の部屋には待ち伏せしている者がいた。しかし、サムソンはその綱を糸のように腕から切り落とした。(12節)


 二度までうそをつかれたデリラは、もちろん、サムソンをなじります。けれども、それくらいのことで諦めるような女ではありません。なにしろ、大金が懸かっているのです。怒ったふりをして、誘惑を重ねるのです。それでも、サムソンは嘘をつきます。

「もしあなたが機(はた)の縦糸といっしょに私の髪の毛七ふさを織り込み、機のおさで突き刺しておけば、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」(13節)

 機織り機は、いまでは古民具博物館にでも行かないと目にすることはありませんが、明治時代頃までの農家では、機織り機で布を織るのは女の仕事でした。外国でも布を織るのは女の仕事で、どこの家でも機織り機やそれに類した機具があったのでしょう。つい先ごろまで、女性がミシンや裁縫箱を必需品としていたのと同じです。デリラのような女でも、機織り機をもっていたのかもしれません。
 私も機織りの経験はありませんが、実演を見たことがあります。機織り機は、初めに縦糸を張って、そこへ横糸を差し込んでいきます。その時に横糸を詰めるのに使うのが「おさ」です。サムソンは彼の髪の毛七ふさを、縦糸を張った機の横糸として織り込んで、おさで止めておけばよいと伝えたのです。

 彼が深く眠っているとき、デリラは彼の髪の毛七ふさを取って、機の縦糸といっしょに織り込み、それを機のおさで突き刺し、彼に言った。「サムソン。ペリシテ人が彼を襲ってきます」すると、サムソンは眠りからさめて、機のおさと機の縦糸を引き抜いた。(14節)
 そこで、彼女はサムソンに言った。「あなたの心は私を離れているのに、どうして、あなたは『おまえを愛する』と言えるのでしょう。あなたはこれで三回も私をだまして、あなたの強い力がどこにあるのかを教えてくださいませんでした。」(15節)
 こうして、毎日彼女が同じことを言って、しきりにせがみ、責め立てたので、彼は死ぬほどつらかった。(16節)


 熱くなりやすいサムソン。女好きのサムソンにしては、三回もうそを言い通すのは、かなりの意志力でした。サムソンにしても、デリラの下心はわかっていたのでしょう。自分が神から聖別されたナジル人だという自覚もあったでしょう。
 けれども、その危険な場所から立ち上がって、帰ることができませんでした。
 彼は、デリラのところに居座っています。デリラにほれ込んだようすです。

 ★★★★★

 神様は、人間をお造りになったとき、男と女を一対としてお造りになり、一貫して、性的な乱れを戒めておられます。律法では、女に夫がいない場合は姦通にはなりませんが、結婚以外の性的関係は「不品行」とされているのです。

 旧約聖書二十番目の書物である箴言には、女の誘惑に落ちやすい男を戒めることばが、たくさん出て来ます。

 女はくどき続けて彼を惑わし、
 へつらいのくちびるで彼をいざなう。
 彼はほふり場に引かれる牛のように、
 愚か者を懲らしめるための足かせのように、
 ただちに女につき従い、
 ついには、矢が肝を射とおし、
 鳥がわなに飛び込むように、
 自分のいのちがかかっているのを知らない。(箴言7章21節〜23節)






posted by さとうまさこ at 09:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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