2016年10月04日

エレミヤ書113 エレミヤを守れない王、(エレミヤ書38章1節〜14節)


 
 さて、マタンの子シェファテヤと、パシュフルの子ゲダルヤと、シェレムヤの子ユカルと、マルキヤの子パシュフルは、すべての民にエレミヤが次のように告げていることばを聞いた。(エレミヤ書38章1節)
 「主はこう仰せられる。『この町にとどまる者は、剣とききんと疫病で死ぬが、カルデヤ人のところに出て行く者は生きる。』そのいのちは彼の分捕り物として彼のものになり、彼は生きる。』(2節)
 主はこう仰せられる。『この町は、必ず、バビロンの王の軍勢の手に渡される。彼はこれを攻め取る。』」(3節)
 そこで、首長たちは王に言った。「どうぞ、あの男を殺してください。彼はこのように、こんなことばをみなに語り、この町に残っている戦士や、民全体の士気をくじいているからです。あの男は、この民のために平安を求めず、かえってわざわいを求めているからです。」(4節)

 エレミヤの預言が受け入れられなかった理由は、何よりも第一に、それが「降伏勧告」だったからです。
 たしかに、私たちが一番受け入れがたいのは、「負けを認める」ことかもしれません。人がなかなか謝罪ができないのは、負けを認められないからです。やっと物心がつき始めた子どもから、いくらか痴呆と言われるようなお年寄りまで、プライドは人を、「終生」引き回します。でも、神様は、時として「負けを認めよ」と仰せなのでしょうね。神のご命令なら時には敗北も認めるべきなのでしょうね。

 選びの民イスラエルに取って、「他民族に攻め取られる」から、「攻め取られてバビロンに下れ」というメッセージは屈辱以外のなにものでもありませんでした。神がそんなむごいことを言われるはずがない。
 神は自分達の神――「アブラハムの神・イサクの神・ヤコブの神」「万軍の主」なのだから、かならず自分たちは誇り高く生きる道があるはずだという気分が、大勢を占めていたのではないでしょうか。そのような気分に合わせた預言をする偽預言者がたくさんいたのは当然でした。
 希望的な見方をする人たちが、王に、「エレミヤを殺して下さい」というのも自然でした。

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 そこで、エレミヤに反対する人たちは、王がかくまっているエレミヤを、自分たちに渡してほしいと強要するのです。王は、エレミヤをかばい通すことができず引き渡してしまいます。その結果、またエレミヤは穴の中に投げ込まれるのです。

 するとゼデキヤ王は言った。「今、彼はあなたがたの手の中にある。王は、あなたがたに逆らっては何もできない。」(5節)

 それにしても、王のこの優柔不断な態度はどうしたことでしょう。エレミヤを本物の預言者だと思っている様子でもあり、同時に、家臣の顔色も気にしています。言われるままエレミヤを引き渡してしまうのです。

 そこで彼らはエレミヤを捕え、監視の庭にある王子マルキヤの穴に投げ込んだ。彼らはエレミヤを綱で降ろしたが、穴の中には水がなくて泥があったので、エレミヤは泥の中に沈んだ。(6節)

 この穴も、飲料水を溜める井戸でした。水が涸れていて泥だけなんてかえってひどい場所ですね。「ああ、かわいそうなエレミヤ!」と胸が痛みます。もちろん、同情する人もいたのです。それが宦官のエベデ・メレクです。

 王宮にいたクシュ人の宦官エベデ・メレクは、エレミヤが穴に入れられたこと、また王がベニヤミンの門にすわっていることを聞いた。(7節)
 そこでエベデ・メレクは、王宮から出て行き、王に告げて言った。(8節)
 「王さま。あの人たちが預言者エレミヤにしたことは、みな悪いことばかりです。彼らはあの方を穴に投げ込みました。もう町にパンはありませんので、あの方は、下で、飢え死にするでしょう。」(9節)
 すると、王は、クシュ人エベデ・メレクに命じて言った。「あなたはここから三十人を連れて行き、預言者エレミヤを、まだ死なないうちに、その穴から引き上げなさい。」(10節)

 宦官からエレミヤの様子を聞いた王は、びっくりしてもう一度エレミヤを助け出します。
 心の底ではエレミヤを真実の預言者だと知っているようです。





posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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